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Yadier Molina

"若き才能"、ヤディアー(ジャディル)・モリーナ

まだメジャーデビューして1年もたたない新人キャッチャーでかつてこれほどまでの監督の信頼を受けた選手がいただろうか? 昨年セントルイスカージナルスのキャッチャーとして6月にメジャーデビュー、51試合の出場ながら盗塁阻止率は4割7分を誇り その才能の片鱗を感じさせるのには十分なパフォーマンスを見せつけたヤディアー(ジャディル)・モリーナを今回は取り上げたい。

さていよいよシーズンに向けてスプリングトレーニングが始まったが、 地元プエルトリコ紙でもプエルトリコ人選手のトレーニングを伝える記事が毎日のように紙面をにぎわしている。 その中でもカージナルスの若きキャッチャー、ヤディアー・モリーナを伝える記事では殊更彼の評判が良い。 それらの記事からモリーナや彼を取り巻く人たちの声を拾ってみよう。

スプリング・トレーニングでの心境についてモリーナはこう語る。
「精神的にも体力的にも十分準備してここジュピター(カージナルスのキャンプ地)に来たからね。 今は、はやる気分を落ち着けることでいっぱいで、早くシーズンが始まらないかと待ち遠しい気分だ。 今シーズンを迎えるにあたって不安な点は何も無い。 自分のセールスポイントはピッチャーを上手く操ることと思っているけど、 それをやり遂げる変なプレッシャーもないし達成する自信もある。 去年はレギュラーを取れるかどうか不安なままプレーしていたんだ。 (去年の正捕手であるマシーニーがいなくなった)今年はチャンスの年だと思っている。」

またラルーサ監督については、
「ラルーサとはスペイン語でよく話すよ。”キャッチャー”についていろいろ意見の交換をしている。」

ラルーサ監督はモリーナのことをこのように評する
「一言で言ってディフェンスの能力がすばらしい。特にピッチャーを操る術は10年以上メジャーでプレーしたベテランのようだね。 モリーナはおそらくいいキャンプが過ごせるんじゃないかな。今シーズンのキャッチャーのポジションは今のところ彼のものだと考えているし、 おそらく優勝するには彼はチームに欠かせない存在になるだろうと信じている。」
ラルーサはこの少年のメジャーデビュー時に既にその才能にひと目で気づいていたようであり、 現時点でモリーナは既に絶大なる監督の信頼を得ている。

また他の同僚もこのようにモリーナのことを評する。
アスレチックスから移籍してきたマルダーはスプリングトレーニングで投げたモリーナの印象として、
「いいキャッチャーだと聞いていたけど噂どおりだったね。ピッチャーをどう扱ったらいいか、ホームベースの後ろで何をすればいいのかを良く知っている感じがした。 ラモン・ヘルナンデス(アスレチックス時代の正捕手)と雰囲気は良く似ているよ。今のところ彼にはぜんぜん心配していない。 なにかアドバイスしてほしいときにはいつでも遠慮なく言ってくれと彼には言ってあるけど、今の感じだとそういう機会も少なそうだね。」

同僚のエドモンズは、
「まだ若いけれどもすごい才能を感じるし実際去年の彼のパフォーマンスはすばらしいものだった。我々のチームで十分プレーできる能力がある。 もし攻撃面でも貢献することができればそれは我々へのボーナスのようなものだな。」

同じキャッチャーのエイナー・ディアスは、
「まだ少ししか見たことが無いけど素晴らしいキャッチャーだよ。そう、彼の兄達と同じように。彼と一緒にプレーできることを誇りに思うし、 お互い助け合ってチームの優勝を目指したい。」

とにかくどの選手もモリーナの才能の高さを当たり前のように評価している。

モリーナは今年のウィンターリーグではキャッチングだけじゃなくバッティング面の上達も目指した。
「今年のウィンターリーグではバッティングを課題にあげたんだ。 兄や父それからチームメイトのオーランド・メルセドやアルマンド・リオスにも助言をもらって今はかなり満足のいく結果が得られたよ。 具体的にはピッチャーの球を見極める技術をつけることができるようになってボールをバットで捕らえる感覚がわかってきた。 でも僕の本業はキャッチングでありピッチャーをコントロールすることだからね。それは忘れちゃいけないと思っている。」
ちなみに、所属チームのカロリーナ・ジャイアンツで打率.297という成績を残した。

また、彼の独特のバッティングフォームはアストロズのジェフ・バグウェルを参考にしたのだという。
「バグウェルがバッティング練習をしているのを見ていたんだ。そうしたら彼が僕のほうに近づいてきて、”俺のフォームを真似してみないか?”って僕に言ったんだ。 その後で実際彼の真似をしてみたら自分にぴったりくるものがあってね。 以前は前に突っ込む癖があったんだけどこのフォームにするようになって重心を後ろに保つことができるようになりその結果ボールも良く見えるようになった。」

当然のように兄と比べられることも多い。
「彼ら(二人の兄)はメジャーの実力があることを世間に認められているからね。しかも彼らは優勝を経験している。 まだ僕は自分の能力を証明しなければいけない状態。比べられるにはまだ早いね。野球選手としてそして兄としても彼らを尊敬しているよ。」

カージナルスが今年もナショナルリーグを制することができるかどうかについては、
「移籍組のマルダー、エクスタイン、グルジラネックが鍵になるだろう。でも我々のウォーカー、プホールス、ローレン、エドモンズの4人は強力だからね。 今年も地区優勝までは間違いなく行くと思っている。マシーニーがサンフランシスコに行ってしまってあっちも手ごわそうだけど、 でも我々が勝つと信じているしそうしなければいけないと思っている。」

自分自身についても、
「僕が4年でメジャーに上るとは誰も予想できなかっただろうね。神様が与えてくれた才能に感謝するよ。 まだいろいろ学ばなければいけないことは山ほどあるし、毎日一生懸命プレーすることが上達への近道かな。 ワールドシリーズに勝ってゴールデングラブを獲得するのが僕の夢だ。 そのために今日まで努力してきたし、ここ(スプリングトレーニング)でも毎日朝早く来て練習している。」

今シーズンの目標については、
「去年はマシーニーからいろんなことをいっぱい学んだ。今年はもっとカージナルス投手陣を強くしたい。それにまだ自分はレギュラーを勝ち取ったとは思っていない。 競争してポジションを勝ち取っていきたい。負けることは嫌いだ。だからこのチームにいるんだ。 みんなは、”あんな若造に大事なキャッチャーの座が務まるのか?”と言うけど、でもそんな難しいことじゃないと思っている。 なぜかというとカージナルスの投手陣はみんな自分が何をすべきかということをわかっているからね。ここでのキャッチャーの仕事は座っているだけのようなものだよ。 重要なのはピッチャーが気持ちよく投げられるようにすることと、早くピッチャーに任されるくらいの信頼を得ることだよ。」

プエルトリコの若手プロスペクトキャッチャー三羽烏の中でも他の二人(マリナーズのレネ・リベラ、カブスのジョバンニ・ソト)を現時点ではかなりリードした。 プエルトリコ人はキャッチャーというポジションには優秀なタレントを持つ選手を有り余るほど輩出しているが、 このヤディアー・モリーナもその一員に入る日はそう遠くないとみている。

[基本情報]
ヤディアー(ジャディル)・モリーナ。22歳。プエルトリコ生まれ。二人の兄は言わずと知れたエンゼルスのモリーナ兄弟。 2000年にカージナルスからドラフト4巡目で指名を受け入団した。ポジションは兄と同じキャッチャーでプエルトリコの若手プロスペクトNo1であり、 昨年6月3日のピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビュー。デビュー戦でいきなり2安打一刺殺を記録した。

記2005.3.16

(この記事は、メールマガジン・サークルチェンジに記載されたものです。)