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Serie del Caribe 2008

 カリビアン・シリーズ 2008

 カリビアンシリーズ総括

1949年に第1回のカリビアンシリーズが開催されてから今回で50回目を迎えた。 途中で9年間の中断があったもののカリビアンシリーズはラテンアメリカのスポーツの国際大会では最も古い伝統ある大会だ。 今回の記念すべき第50回大会はドミニカの第2の都市サンティアゴで行われた。 今一番野球がホットなドミニカでの開催で相当の盛り上がりが予想されたが、実は結果を申し上げると盛り上がりに欠ける大会となった。 そうなってしまったことには色々な要因があるのだがそれは後述することとしたい。

それでは、今回の出場チームを紹介しよう。ドミニカ共和国からは2チーム。リーグ優勝したアギラス・シバエニャス(シバオ・イーグルス)と プエルトリコ不参加の影響で準優勝チームのティグレス・デル・リセイ(リセイ・タイガース)、ベネズエラからはティグレス・デ・アラグア(アラグア・タイガース)、 メキシコからは27年ぶりにヤキス・デ・オブレゴン(オブレゴン・ヤキス)の4チーム。 優勝候補は昨年優勝した地元のドミニカ代表アギラスでMLBのスター選手ミゲール・テハーダとラファエル・ファーカルを擁し地元ファンの後押しも予想され優勝候補の一番手だった。 しかしながらもう1つのドミニカチーム、ティグレス・デル・リセイも記念大会の優勝を虎視眈々と狙っており、大会前からドミニカ勢優位の予想だった。 カリビアンシリーズに関して数年前から情報が色々なメディアを通して見つけることができるようになり、このように総括を書くことにも困らず非常に助かっている。 なお、大会の詳細結果は公式サイト(http://www.seriedelcaribe.com/)などで確認できる。

今大会は開幕から順調に強豪ドミニカの2チームが勝ち進んだ。 まず最初のヤマは両チームの対決となった3日目。 地元のアギラスと今年でチーム創立100周年を迎える首都の古豪リセイのドミニカ勢の対戦はリセイが勝利し優勝争いを一歩リードした。 次のヤマ場は5日目。第一試合で試合をしたリセイが今大会全敗のメキシコによもやの逆転負け。 この時点でアギラスと1敗で並んだものの第2試合でアギラスもベネズエラに敗戦。 優勝争いは最終日にもつれ込むこととなった。 アギラスはなんとしても勝って優勝決定戦に持ち込みたいところで、一方のリセイはドミニカ国内リーグ戦のリベンジとしてカリビアンシリーズのタイトルを獲得したかった。 試合は序盤点の取り合いで始まったがリセイ2番手投手のラモン・オルティスの好投でリセイが勝利を飾った。 結果的には開催国のドミニカのチームが優勝したわけだが本拠地のアギラスが負けたことでちょっと寂しい結果となった。

最後にまとめ。 カリブ野球連盟のパブロ・プエジョ会長は次回大会からのフォーマットの変更を示唆した。 まずカリビアンシリーズはこれまで2月2日に開幕し6日間の2月7日終了という形で行われてきたがこれが変りそうだ。 というのもカリビアンシリーズの終了日からMLBのスプリングトレーニングの時期まで時間が無く、 カリビアンシリーズにメジャー級の選手が参加しないという状況が続いているからだ。 今年もベネズエラのミゲール・カブレラがチームから参加の許可が得られず、メキシコも若手クローザーのホアキム・ソリアが不参加となった。 ベネズエラは他にも辞退者が相次いでリーグ優勝時のチームから15人が辞退する異常な事態となった。 そこでカリブ野球連盟は来年は1月24日の開幕を予定し2月4日までに全日程を終了するようだ。 しかし、これには早速ベネズエラが反対を表明した。 その理由は国内リーグのプレーオフの期間が短くなることで総観客数が減り収入減が予想されるからだ。 しかしながらメジャーのスタメン級の選手がこぞって不参加なのはカリビアンシリーズの盛り上がりにも欠けるため何らかの対策は取られるであろう。

次に、1日2試合の2回総当りのリーグ戦の形式を見直す予定だ。 これは前回がそうだったのだが、最終日以前に優勝が決まってしまう可能性を無くすのが目的で最終的な優勝は優勝決定戦の形で行われる、いわばアジアシリーズのような形式で行われる事を予定しているようだ。 また、来年はメキシコのアメリカ国境に近いメヒカリ(Mexicali)という街での開催が決まっており、これでここのところ4年間で3開催地が初開催ということとなった。 これについてはカリビアンシリーズも新規市場を開拓していると言ってもよかろう。 ちなみにその次のベネズエラ開催も昨年マルガリータ島の新規に作られたチームであるマルガリータ・ブレーブスの本拠地であるグアテマレ・スタジアムが予定されている。

それでは先に述べた”盛り上がりに欠ける大会になってしまった”要因を少し書き出してみたい。 まず、古豪であるプエルトリコが自国のリーグ開催を中止したことにより参加が見送られ3カ国での開催となりドミニカが2チーム出すこととなった。 次にベネズエラの代表チームであるティグレス・デ・アラグアがリーグ優勝チームから15人が不参加になり急遽召集されることとなった。 それから、スタンドにもかなりの数の空席が見られた。 開幕試合の土曜のナイトゲーム、ドミニカ代表地元アギラス対メキシコ代表ヤキスとの試合はスタジアムのキャパシティが1万8千人に対して入場者は1万4千人にとどまった。 運営の発表ではチケットは全席完売しているとの事だが、どうやらダフ屋が買い占めていたらしい。 しかも、ただ出さえドミニカ人には非常に高い設定である定価50ドルの内野席に更に4倍の値を付けて球場の外で売っていたようだ。 しかしそれだけでは説明できないところもあるようであり、日中の試合では地元の小学生をスタンドに招待して何とか席を埋めていた。 また、マーケティングの面でもプエルトリコが参加しなかったためケーブルテレビのPPV契約が例年に比べて激減し、大幅な収入減となってしまった。

優勝したリセイについてコメントしたい。 リセイ・タイガースは10度目のカリビアンシリーズ優勝で球団創立100周年の年を飾り、また自らが持っていた優勝最多数を更新した。 この優勝はリーグ優勝をしていないチームによるカリビアンシリーズの優勝であり、これはカリビアンシリーズの歴史の中でも初めてのこととなった。 ドミニカのリーグ戦ではファイナルで屈することとなった宿敵アギラスをカリビアンシリーズで2連勝しての勝利であり、ある意味文句の無い優勝といえるだろう。 その立役者は大会のMVPに輝いたラモン・オルティスだ。 アギラスとの2戦の通算で11回2/3を無失点に抑え2勝を獲得した。 リセイは全般的にリリーフピッチャーが安定しておりメキシコ戦で崩れた以外は大会に渡ってほぼ完璧に相手チームを抑えた。 これが直接の優勝の原因と言ってよかろう。

最後に筆者から 今回で50回と区切りの大会となったカリビアンシリーズもそろそろちょっと大会の開催自体にいびつな歪みを生じ始めている感じがしている。 多くのファンを魅了するためには開催時期、参加選手、大会運営などもう少し改良の余地はありそうだ。 マーケットを広げる意味で毎度のごとくキューバの参戦が噂になっているがこれも信憑性は低い。 なんにせよカリビアンシリーズはカリブ野球のクラシック大会として今後も権威あるかつファンを魅了する大会であってほしい。 また、プエルトリコのリーグ戦中断などという恥ずかしいニュースは聞きたくない。