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Serie del Caribe 2011

 カリビアン・シリーズ 2011

 カリビアンシリーズ総括

さて、以前は割と真面目に見てカリビアンシリーズもしっかりチェックしていたのだが、ここ数年ご無沙汰となっていた。 しかし今年は日本からプエルトリコリーグに岩嵜投手、大場投手が参加したこともあり久しぶりにしっかりとウィンターリーグからチェックした。 そこでカリビアンシリーズ総括を久しぶりにしてみたい。

カリビアンシリーズはプエルトリコ、ドミニカ共和国、メキシコ、ベネズエラの順に4カ国の持ち回りで毎年2月上旬に行われるカリブ野球連盟の国際大会だ。 第53回大会の今年の開催はプエルトリコで行われ、今までプエルトリコ開催の場合は首都サンファンのイラム・ビソーン球場かカロリーナの ロベルト・クレメンテ球場でしか行われなかったが、今年は島の西の端のプエルトリコ第3の都市マヤゲスが開催の地となった。マヤゲスの球場である イシドロ・ガルシア球場が昨年中央アメリカの総合競技会が行われた際に新しく改装されたこともあり初めてマヤゲス開催の運びとなった。

それでは今大会の出場チームを紹介しよう。まず地元プエルトリコからはクリオージョス・デ・カグアスが12回目のカリビアンシリーズ出場。 クリオージョスはプエルトリコリーグではファイナル最終戦まで持ち込み、劇的な勝利でリーグ優勝を勝ち取った。レギュラーシーズンは楽勝したものの プレーオフでは苦しみ紙一重の優勝だった。次にドミニカ。今年のドミニカリーグは強豪のティグレス・デル・リセイと、アギラス・シバエニャスがシーズン 絶不調で優勝争いから早々と脱落。そんな波乱のリーグを優勝したのはリーグ優勝2回目のトロス・デル・エステ。比較的若い選手で構成され、 また元日本野球経験者が多いのも特徴だ。ベネズエラはカリベス・デ・アンソテギが球団創立33年目でリーグ初優勝を果たしカリビアンシリーズにも 初めて参戦することとなった。その初出場のチームを率いるのが日本でもおなじみのフリオ・フランコ。筆者もまさかベネズエラのウィンターリーグで 監督をしているとは知らなかった。ベネズエラもレオネスとティグレスの2強だけに初優勝はかなりの価値を持っているといえよう。そしてメキシコ。 メキシコはヤキス・デ・オブレゴンが4回目の出場。28人ロースターのうち12人を補強選手として組み入れ、今回こそ悲願の優勝を獲得するため万全の準備で プエルトリコに乗り込んできた。と、今回は比較的カリビアンシリーズの経験が少ないチームが多く、12回目の出場を誇る地元プエルトリコのクリオージョスが やや有利な予想だった。

大会は波乱を予感させる幕開けとなった。初日第一試合のドミニカ対メキシコ。メキシコは9回裏2死ランナー無しという状況から同点に追いつき延長戦へ。 その延長も勝負がついたのは15回の裏。またしても2死ランナー無しの状況から3連打で劇的なサヨナラ勝ち。実は前回のプエルトリコ大会の初日第1試合も 延長18回という長丁場。今回もまた第一試合後の開幕セレモニーが夜の11時ごろと散々の開幕初日だった。

今回の大会の特徴は一言で言うと「エラーの多さ」である。ノーエラーだったのがベネズエラ2試合、プエルトリコ1試合、メキシコ1試合、 ドミニカにいたっては全試合エラーを記録した。これは一つには球場が海岸線沿いにあり海からの強い風が常時吹いていることが理由として挙げられ フライを落とすエラーが目立った。しかしそれを抜いても今大会のエラーの多さは異常であった。特に地元プエルトリコはタイムリーエラーが目立ち、 これが原因で優勝を逃したといっても良かろう。全チームの投手の失点と自責点をまとめてみた。一概には言えないが、エラーに関係する失点は自責点に 含まれないので目安にはなる。ベネズエラ(R:21、ER:18)、ドミニカ(R:21、ER:15)、メキシコ(R:26、ER:19)、 プエルトリコ(R23、ER:13)である。ベネズエラは失点と自責点の差が3点しかないのにプエルトリコはなんと10点。 1試合平均1.7点のエラーによる失点が絡んだ計算である。投手がいくら好投しても野手がこれだけ足をひっぱっては優勝のタイトルを手にするのは 難しかっただろう。

全チーム2試合づつの全6試合総当りで行われる大会は最終日を残して3勝2敗が2チーム、2勝3敗が2チームとなり最終日の成績次第では 全チーム3勝3敗で並ぶ可能性があった。しかし第一試合でメキシコが勝利し4勝2敗となり、メキシコ優勝の可能性は第二試合のプエルトリコの結果待ち。 地元プエルトリコはその最終試合でドミニカと対戦。待った無しの状態ではあったがドミニカのラウル・バルデスが好投しジ・エンド(スペイン語流に言うと、 セ・アカボ)。2000年以来のプエルトリコ優勝は無くなった。

優勝したメキシコは粘り強い試合が目立った。勝利した4試合のうち3試合が逆転勝ち。終盤の肝心な場面でタイムリーが飛び出す勝負強さが優勝を手に入れた 一番の要因といっても良かろう。大会後地元に戻ってメキシコのフェリペ・カルデロン大統領に優勝を報告すると、大統領は「我がチームは大会に全精力を捧げ グランドに魂を込めた。その結果、我々は優勝を勝ち取ることができた。」と最大限の賛辞をナインに贈った。

そして、まとめ。今回も相変わらず今までと同じ問題が抽出された。優勝決定戦を行わないフォーマット、DirecTVに独占されて地上波で見ることができないテレビ放映、 キューバやニカラグアの参加の可能性、1日に2試合行うことによる時間の読めない運営、大会直前の補強選手の可否、MLBとのウィンターリーグ・アグリーメントによる大会の 開催期間の短さとメジャー選手の参加禁止通達、etc。。。

私の過去のコラムの焼き直しみたいで毎度毎度しょうがないなと思うのだが今もって全く改善されていないし、おそらく今後も大きく変わることは無いだろう。 なぜなら、それがカリビアンだから。